リサイクルスタンド
キッチンで目をつぶってみる。
誰もが使用している商品の周辺で、解決できていない問題を発見して、商品開発につなげました。client : コシオカ産業株式会社
「通販に新商品を提案したいんだよ」
もともとバネを製造していたその会社の社長は、仕入れ商品ではなくオリジナルの企画商品を出したいという熱い想いを語ってくれました。
「何かあきらめている事が、まだまだあるんじゃないか?」
さて、どう応えようか。通販と言えば主婦、主婦と言えばキッチン。ああなんと短絡的な。とりあえずキッチンの前に立ち、シンクやコンロ、所狭しと並べられた調味料をながめてみました。「何かあきらめている事が、まだまだあるんじゃないか?」目をつぶり、キッチンでの様々な動作を思い浮かべます。冷凍庫から冷凍保存袋に入れた鮭を取り出して、袋から出した鮭をレンジに入れて・・・。料理が終わり、食事も終わり、洗い物が済んでテレビでも見るか。ん?その間に何か問題はなかったか?
「あ!これ、主婦、絶対ほしがる!」
冷凍保存袋は一度や二度使った位では捨てません。洗って乾かして何度も使います。内側を丁寧に洗って、どこに乾かすのでしょうか?コップに立ててある菜箸にかぶせている人、はい、手をあげて。ふきん掛けに洗濯バサミで吊るしている人、これも多そうですね。こうして生まれたのが冷凍保存袋乾燥スタンドです。クライアントさまは金属を曲げるのはお手の物。難なく仕上がりました。通販の担当者もこのアイデアにびっくり!「あ!これ、主婦、絶対ほしがる!」
特に目新しい技術的スペックがなくても良い。生活者なら誰もが感じているものの、あきらめているニーズを見つけることができれば、プロジェクトは終わったようなものです。今まで、この商品の説明を幾度となくしてきましたが、しゃべり始めて瞬時に共感を得られることができます。それ程の分かりやすさがヒットの要因なのです。